ラボシェアリング、という選択肢

ラボシェアリング、という選択肢

ラボシェアリングって?

実際に運営している研究室を、みんなでシェアして実験するという新しい設備利用形態です。
そこで貸し出している研究室のことを「シェアラボ」と呼びます。
ラボシェアリングの専門施設としてBeyond BioLAB TOKYOや、利用プラットフォームとしてはCo-LABO MAKERなどがあります。

http://biolab.beyondnextventures.com/
https://co-labo-maker.com/

では、どの点が今までにない「新しい」設備利用なのでしょうか。

セットアップの面倒くささから解放!すぐに使える

実験室を作ろう!となったときに、一番ネックになるのが、設備を導入して準備する過程です。
ここに一番お金と時間がかかる、と言っても過言ではありません。
そもそも従来のインキュベーション施設ですと、お部屋と水道や電気と言ったインフラは整備されていますが、機器や設備は用意されていないケースが多いです。
そこで新たに必要な機器を購入して設置して、と進めていくうちに、お金も時間もかかってきてしまいます。
精密機器類だったり大型設備だったりすると、輸送費だけでも案外バカになりません。
また、機器類を安定して使用するには、セットアップ作業に意外に時間と手間がかかるものです。

そこの面倒くさい点を、もう立ち上がっているシェアラボを使う、ということで一気に解消できます!
借りて即使い始めることが出来るのは、研究開発をしている身にとっては、正直とてもありがたいです。

管理運営・メンテナンスの手間いらず

実験を行うにあたり、安全管理責任者だったり主任管理者を置かなければいけないケースが発生します。
けれどもノウハウがない中で、全く新しいプロジェクトを立ち上げたい時に、関連法令を調べて回ったり講習会に参加して資格を取得したりするのは……手間と時間とお金もかかって、正直とても大変ですよね。
そこの部分はシェアラボ側が管理運営を代行してくれるので、安心して実験に取り組めます。
また機器のメンテナンスも、シェアラボ側が行ってくださるので安心です。使い方などに困ったときも、気軽にアドバイスが受けられますよ!

短期間から利用可能、ニーズに合わせた利用も自由自在に

インキュベーション施設などは、1年単位の長期間利用で、途中解約や延長などはしづらい場合がほとんどです。
また行政や大学などが管理運営に関わっていることから審査が厳しく、長期にわたることが多いです。
けれどもシェアラボの場合は、1日~の利用も可能です。審査や諸手続きも数日~一か月程度で終わります。
反対に数年スパンの長期で契約はしたいが、週末だけ利用したい、月1回程度だけ使用したいという、利用者側のスケジュールに合わせた利用も可能です!

バラエティーに富んだ設備や施設が利用可能

シェア専門の施設も一部ありますが、多くは元々の管理者側が使用しているところを間借りするタイプです。
そのため、より専門性が高く、バラエティーに富んだ設備を保有しているところが多いです。
その半面、汎用的な設備のはずなのに、所有していないケースがあったりする場合もあるので、事前の実験計画に適したところを選ぶことが重要です。
プラットフォームを経由すると、実験コンシェルジュが設備選びのサポートをしてくれるところもあります。
新規プロジェクトで正直その分野にはあまり明るくないんだけど、と言う場合は、一度相談してみるのもいいかもしれませんね。

シェアラボとして貸し出して、資金獲得も

またシェアラボに関しては、使うだけでなくシェアする側に回ることもできます。
空いた時間に使って貰うだけで、月に数万〜数百万円の収入を得ることができます。
買ったはいいが今その機器や設備、使ってないんだよね……また必要になるかもしれないから、メンテナンスもしなきゃいけない……という場合、貸し出すだけで利益になるのは、ありがたい話です。

また研究開発に携わっている人々のコミュニケーションの場として、新たなビジネスチャンスを獲得するケースもあります。
コンタミや機器の故障などといったリスクもありますが、プラットフォームによっては保険を用意している場合もあります。知財などに関しても、NDA契約サポートや事前対面面談のサービスも行っている場合があります。
貸し出す際には、そういったところもポイントに選ぶとよいでしょう。

おわりに

 いかがでしたか?
シェアラボを使って、手軽に気軽に思い立った時に、実験してみる。
そんな研究や開発の新しいスタイルを、いち早く取り入れてみるのはいかがでしょうか。

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