SIAAマークは、会員が当協議会ガイドラインへの適合を自己責任において認証する「自己認証を表明するマーク」であり、かつ品質と安全性に関する情報が公開されていることを示す「品質と安全性に関する情報開示マーク」です。
感染症対策のために抗菌・防カビ・抗ウイルスと表示された製品を購入する機会が増えています。
今回のSIAAマークの記事を参考に、購入するときにSIAAマークが表示されているかどうか確認してみてください。
抗菌SIAAマークとは何か
抗菌SIAAマークとは、抗菌製品技術協議会(以下、SIAA)が制定した抗菌のシンボルマークです。
次の3つの基準を満たした製品に、SIAAマークが表示されます(繊維製品を除く。繊維製品は別途SEKマークがあります)。
①抗菌性
抗菌加工されていない製品の表面と比較し、細菌の増殖割合が百分の一以下であり、耐久性試験後も抗菌効果が確認されること。抗菌性は国際標準ISO22196に準じて行われた試験の結果に基づいて判定されます。
②安全性
SIAAが独自に決めた安全性基準を満たしていること。
③適切な表示
抗菌剤の種類、加工部位を明示していること。
【出所】SIAA for KOKIN『SIAAマークとは』を元に筆者作成 https://www.kohkin.net/mark.html
SIAAとは
SIAA(抗菌製品技術協議会)とは、適正で安心できる抗菌・防カビ加工製品の普及を目的とし、抗菌剤・防カビ剤および抗菌・防カビ加工製品のメーカー、抗菌試験機関が集まってできた団体です。
会員数は300社を超え、2018年には創立20周年を迎えました。
業界だけでなく、消費者代表、専門家および行政などの幅広い意見を聞きながら、抗菌加工製品に求められる品質や安全性に関するルールを整備し、かつそのルールに適合した製品の安心のシンボルSIAAマーク表示を認めています。
現在は「抗菌加工製品」「防カビ加工製品」「抗菌・防カビ加工製品」「抗ウイルス加工製品」に対して、SIAA マークの審査を行なっています。
【出所】SIAA for KOKIN『SIAAとは』を元に筆者作成https://www.kohkin.net/siaa.html
抗菌試験とは
先ず『抗菌とは『菌の繁殖を抑える効果のこと』を指します。
経済産業省の定義では、抗菌の対象を細菌のみとしているため(製品の表面における細菌の増殖を抑制すること)、抗菌仕様製品ではカビ・黒ずみ・ヌメリは効果の対象外です。
抗菌試験とは『殺菌剤などが細菌や真菌を殺菌するのに必要な濃度や接触時間を調べる試験』を指します。
【参考】経済産業省『抗菌加工製品について』
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/human-design/koukin.html
▼抗菌試験の詳しい内容は以下の記事でご確認ください
抗ウイルス試験とは
抗ウイルス試験とは『付着したウイルスの感染価(細胞感染性を持つウイルス粒子の数)が減少する度合いを確認する試験』を指します。
微生物(ウイルス、細菌、真菌の違い)は以下の通りになります。
【出所】Work On『抗菌・防カビ・抗ウイルス加工製品のSIAAマークとは?』より筆者作成
https://hataraku-fuku.com/workingclothes-tools/home/siaa/
▼抗ウイルス試験の詳しい内容は以下の記事でご確認ください
安全性試験とは
安全性試験とは『医薬品や農薬などがヒトに投与(暴露)される前に、安全な投与期間に関する情報、薬物の生理学並びに毒性的作用に関する情報を得るために実施する動物試験のこと』を指します。
【引用元】中外製薬『安全性試験』
https://www.chugai-pharm.co.jp/ptn/medicine/laboratory/laboratory008.html
▼安全性試験の詳しい内容は以下の記事でご確認ください
SIAAマーク取得には何が必要なのか
SIAAマークを取得するには、扱う製品の分類ごとにの基準を満たす必要があります。
抗菌加工製品メーカーの場合
抗菌加工製品メーカーであれば、①「抗菌加工製品の抗菌性能がSIAA自主基準に適合していること」として、
(1)抗菌性能はJNLA認定試験所発行の試験証明書で証明する
(2)抗菌試験はまずその製品の用途にあわせた耐水性、耐光性試験の前処理を行った試 料で試験
(3)抗菌評価試験はJIS Z 2801 5.2項(ISO22196)で行い、無加工試験片と比べ細菌の増殖割合が100分の1以下(抗菌活性値2以上)であること
②「製品に使用されている抗菌剤の安全性がSIAA自主基準に適合していること」として、
(1) 急性経口毒性
(2) 皮膚一次刺激性
(3) 変異原性
(4) 皮膚感作性
が挙げられています。
抗菌材メーカーの場合
抗菌剤メーカーであれば、①「抗菌剤の抗菌性能がSIAA自主基準に適合していること」として、最少発育阻止濃度800μg/ml以下であることが求められます。
また、②「抗菌剤の安全性がSIAA自主基準に適合していること」として、
(1)急性経口毒性
(2)皮膚一次刺激性
(3)変異原性
(4)皮膚感作性
が挙げられています。
抗ウイルス加工製品メーカーの場合
同様に、抗ウイルス加工製品メーカーであれば、
①「抗ウイルス加工製品の抗ウイルス性能がSIAA自主基準に適合していること」として、
(1)指定の試験機関で試験を実施し、抗ウイルス試験報告書を提出するこなど
(2)抗ウイルス試験は用途にあわせて耐水性、耐光性の前処理を行った試料で試験をする
(3)抗ウイルス評価試験はISO21702で行い、antiviral activityが2.0 以上であること
②「抗ウイルス加工剤がSIAAの自主基準に適合していること」として、
(1)急性経口毒性
(2)皮膚一次刺激性
(3)変異原性
(4)皮膚感作性
が挙げられています。
なお、申請資料は下記のSIAAのホームページから入手できます。
【出所】SIAA for KOKIN『規定・申請書ダウンロード』
https://www.kohkin.net/download.html
試験の委託ならコラボメーカー
SIAA認証は、「抗菌性」、「安全性」、「適切な表示」の3つの基準を満たした製品に付与される、自己承認を表明するマークです。
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