安全性試験とは?費用や委託方法も解説

安全性試験とは?費用や委託方法も解説

安全性試験の概要

安全性試験とは、医薬品、医薬部外品、医療機器、再生医療等製品、食品(トクホ)・食品添加物、農薬、化学品など様々な新規化合物を開発するにあたって、人体への影響などを確かめて、使用しても問題がないかどうかを判断する試験のことです。

また、睡眠剤のサリドマイドのように、妊娠していた場合に、母体には影響がなくても胎児に影響がある場合もあるため、そのような可能性についても試験します。

安全性試験の目的

医薬品、医薬部外品、医療機器、再生医療等製品、食品(トクホ)・食品添加物、農薬、化学品などは人体に直接取り入れるまたは触れることになります。

そのため、使用しても人体に有害でないかどうかを試験して確かめる必要があるのです。

さらには、睡眠剤のサリドマイドのように、妊娠していた場合に、母体には影響がなくても胎児に影響がある場合もあるため、そのような可能性についても試験して確かめる必要があります。

安全性試験を実施した製品などは、無刺激物・毒性無しとなどと判定され、市場などに出回ることに近づきます。また、消費者や患者さんなどに安心感を与えることができます。

安全性試験の費用

安全性試験は、試験する製品の用途や期待してる効能によって試験をデザインすることが多いため、費用が大きく変わることが多々あり、専門家との綿密な打ち合わせが非常に重要となる。

コラボメーカーでは、依頼者様のご要望に沿った形での安全性試験を行える試験委託機関を紹介していますので、ご希望の試験内容や費用などについて、ぜひご相談ください。

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安全性試験の試験方法

安全性試験の方法は、試験対象が何かによって異なってきます。以下に例を挙げます。

ペット用クリームなど

急性経口毒性試験が代表例です。マウスやラットを用いて、絶食後、マウスやラットの口から胃に強制的に検体を挿入し、経過を観察します。経過観察後は、使用した全てのマウスやラットを解剖し、肉眼で観察するとともに、毒性について考察し、死亡率やLD50の数値も考察します。

除菌剤など  

動物実験代替法の皮膚感作性試験が代表例です。マウスやモルモットを用いて、除毛後、皮内注射を行い、数日後に10%ラウリル硫酸ナトリウム含有ワセリン 0.5 mLによる刺激を与えます。その後、被験物質を24時間貼り付けてから除去してアレルギー反応の有無を確かめます。

塗料など   

OECD TG406ガイドラインに沿った急性皮膚刺激性/腐食性試験が代表例です。ウサギを用いて、除毛後、被験物質を塗布し、ガーゼパッチをかぶせ、テープで固定し、4時間後に除去後、皮膚反応、異常所見の有無を観察します。

安全性試験の種類

安全性試験の種類には、以下のようなものがあります。

医薬品関係など

・急性経口毒性試験
・遺伝毒性試験(Ames試験/染色体異常試験/小核試験/マウスリンフォーマTK)
・がん原性試験
・生殖発生毒性試験
・免疫毒性試験
・薬物動態試験
・皮膚感作性試験
・皮膚光感作性試験
・刺激性試験
・抗原性試験
・皮膚光感作性試験

工業製品、雑貨など

・皮膚感作性試験
・刺激性試験
・皮膚光感作性試験
・皮膚光感作性試験
・急性皮膚刺激性/腐食性試験

他にも多くの種類がありますが、良く使用される製品などについて行われる試験は上記のものが多いです。

急性経口毒性試験の内容

ここでは、安全性試験のうち、急性経口毒性試験について紹介します。

急性経口毒性試験は、医薬品のほか、ペット用製品、医薬部外品、工業製品、化学物質などについて行われます。

急性経口毒性試験は、以下の3つの方法がOECD TG406ガイドラインで定められています。

1.固定容量法
2.毒性等級法
3.上げ下げ法

検体の成分により、試験方法の選び方が変わります。

例えば、成分表から製品に毒性がなさそうだと判断できるものだと、2毒性等級方で、最大値2000mg/kgのみで試験を行う限度試験を行います。

1の固定用量法では、ラットの供使数は最低6匹ですが、限度試験では5匹となり、供使数を減らすことが可能です。

以下にこの3つについて解説します。

固定容量法

マウスやラットを用いて行います。絶食後、マウスやラットの口から胃に強制的に固定用量 5、50、300 および 2000 mg/kgの検体を挿入する4群を作成し、経過を観察します。明らかな毒性が認められるか、1 匹を超えない死亡が認められる投与用量まで、あるいは、最高投与用量で何も影響が認められないか、最低投与用量で死亡が認められるまで、この方法を続けます。この試験を行うと、世界調和システム(GHS)に従って物質を分類および等級付けすることが可能になります。

毒性等級法

主にラットを用いて行いますが、他のげっ歯類でも構いません。

絶食後、5、50、300 および 2000 mg/kg 体重のうちから一つを開始投与用量として選択し、一つの段階での被験物質による投与動物の死亡の有無で、

・それ以上の試験は不要
・同じ用量を別の 3 匹に投与
・その上、またはその下の用量を別の 3 匹に投与

のいずれかの判断をします。

2000 mg/kg 体重でも死亡が生じない場合には、限度試験を行ないます。

この方法により、一連の毒性等級のいずれに被験物質を分類するかの判断が可能になります。

上げ下げ法

主にラットを用いて行いますが、他のげっ歯類でも構いません。絶食後、LD50 の最適推定値より 1 段階低い用量を投与します。

生存していれば、次の動物の用量を最初の用量の3.2 倍に増加し、死亡していれば、次の動物の用量を最初の用量より減少。観察は最大48時間とします。

皮膚一次刺激性

この試験は、消毒液のような皮膚に塗る製品、塗料のような皮膚に塗るものではないが、皮膚につく恐れのある製品について、急性皮膚刺激性/腐食性試験に準じて行われます。

ウサギを用いて、まず、毛を刈り、次に皮膚に検体を塗布したガーゼを貼って絆創膏で固定します。24時間後に絆創膏を除去後 1,24,48,72 時間に皮膚の状態を観察して4段階で判定します。

変異原性

この試験は、医薬品を始めとして多くの物質で、ヒトに対する発がんのリスクと生殖細胞に対する遺伝的障害を予測するために行われます。

細菌を用いる復帰突然変異試験であるエームス試験や、ほ乳類培養細胞を用いる染色体異常試験、げっ歯類を用いる小核試験など、いくつかの方法があり、物質によっては、エームズ試験と染色体異常試験の結果が異なることもあるので、複数の試験を同時に行うのが通常です。

皮膚感作性

この試験は、医薬部外品や工業製品などについて遅延型アレルギー反応を引き起こす可能性の有無を確認するために行われる試験です。

マウスを用いる局所リンパ節試験や、システインまたはリジン含有ペプチドを用いるペプチド結合性試験、ヒト単球性白血病細胞株の THP-1 細胞を用いるヒト細胞株活性化試験、ARE 制御下のルシフェラーゼレポーター遺伝子を安定的に取り込んだ遺伝子導入細胞株を用いる角化細胞株レポーターアッセイがあります。

安全性試験のスクリーニング検査委託ならコラボメーカー

ここまで安全性試験について紹介してきました。

コラボメーカーでは、各試験の試験先選定から契約までを一括で行えるため、費用や時間、コストなど様々な面で効率よく試験を行うことができます。

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